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相談の場で、医療脱毛とサロンはどこが違って見えるか
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受付から相談室に通されるまでのあいだに、その場が誰の説明で動いているかは見えてきます。医療とサロンの違いは雰囲気ではなく、できる行為の範囲を国の文書が分けているところから来ています。
毛乳頭などを破壊する脱毛は医行為だと医政医発第105号に書かれている
サロンの自主基準は毛の幹細胞を破壊しない範囲の光脱毛と定義している
渡された紙は表題と根拠になる法律を分けて見ると整理しやすい
私が行ったのは無料カウンセリング一回で、契約はせず、施術も受けていません。書けるのは、その部屋で見えたことと、公の文書に書いてあることだけです。
相談室に入って、最初に分かること
受付で名前を書いてから相談室に通されるまでのあいだに、その場が誰の説明で動いているのかは、少しずつ見えてきます。
見分けやすいのは二つです。説明する人のなかに医師がいるかどうか、そして帰りに渡される紙にどんな表題がついているか、です。
根拠=医政医発第105号/医師法第17条/美容ライト脱毛自主基準/特定商取引法ガイド
この二つが違うのは、店の雰囲気の差ではありません。医療とサロンでは、できる行為の範囲が国の文書で分けられているからです。
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医行為という言葉が、場の作りを決めている
厚生労働省は平成13年11月8日付の医政医発第105号で、毛根部分に光を照射して毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する行為を、医行為だと書いています。
同じ文書には、用いる機器が医療用であるか否かを問わない、とも書かれています。線を引いているのは機械の呼び名ではなく、体に何が起きるかです。
医行為の定義は平成17年7月26日付の医政発第0726005号にあります。医師の医学的判断と技術によらなければ人体に危害を及ぼすおそれのある行為、という書き方です。
医師でなければ医業をなしてはならない、と医師法第17条は定めています。相談の場に医師が関わるかどうかは、施設ごとの方針だけの話ではありません。
出典:厚生労働省 医政医発第105号/医政発第0726005号/医師法第17条
サロンの側は、どこまでかを自分で書いている
国民生活センターは平成29年5月11日の資料で、エステで行えるのは医行為に該当しない範囲の施術のみだと書いています。
業界の側にも文書があります。日本エステティック振興協議会の美容ライト脱毛自主基準は、毛の幹細胞を破壊しない範囲でサロンが行う光脱毛、と定義しています。
破壊しない範囲、という言葉が基準の原文にそのまま置かれています。相談の場で聞く説明が、この線のどちら側を指しているのかは確かめられます。
出典:国民生活センター 平成29年5月11日「なくならない脱毛施術による危害」/日本エステティック振興協議会 美容ライト脱毛自主基準
帰りに渡される紙の、名前を見る
相談が終わると、何枚かの紙を渡されることがあります。表題と、その紙がどの法律に沿って出されたのかを見分けておくと、持ち帰ったあとが読みやすくなります。
医療機関では、医師の説明に結びついた同意書や説明文書が出てきます。誰の判断として書かれた紙なのかは、表題と署名欄のあたりで分かります。
出典=消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」。数字は条文上の上限額
契約に関わる紙は、特定商取引法の側から形が決まっています。エステティックも美容医療も、1月を超え、かつ5万円を超えるものが特定継続的役務提供の対象だと消費者庁は説明しています。
書面の交付は法第42条にあり、クーリング・オフは法第48条にあります。書面を受け取った日から数えて8日以内なら解除できる、と条文は書いています。
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(法第42条・第48条・第49条)
医療機関の広告には、載せられないものがある
医療機関のウェブサイトやメールマガジンは、2018年6月1日から広告規制の対象になりました。厚生労働省の医療広告ガイドラインに書かれています。
医療法施行規則第1条の9は、患者などの主観や伝聞にもとづく治療の内容や効果の体験談の広告を認めていません。誤認させるおそれのある治療前後の写真も同じ扱いです。
サロンの広告は、この規則の対象ではありません。似た見せ方であっても、どの規制の下にあるのかは違うと知っておくと、資料の読み方が変わります。
出典:厚生労働省 医療広告ガイドライン 平成30年5月8日 医政発0508第1号
相談の記録に残っている数を、静かに見ておく
国民生活センターは、2012年度以降の約5年間に登録された脱毛施術による危害の相談を964件と集計しています。内訳はエステ680件、医療機関284件です。
同じ期間の相談総数は、エステが12,693件、医療機関が1,968件と示されています。件数だけを並べても、母数が違うので単純には比べられません。
PIO-NET登録分。母数が違うため件数の大小だけでは比べられない
危害の程度では、医療機関で治療を受けた人がエステで57.3%、医療機関で67.0%と書かれています。どちらの場についても記録が残っている、と読むほうが近いはずです。
出典:国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」。PIO-NETの2017年2月末日までの登録分。
行く前に、二つを別々に並べておく
行く前にできるのは、二つの場を同じ枠で比べないようにしておくことです。呼び名が似ていても、根拠になる文書はそれぞれ別にあります。
説明の場に医師が関わるかどうか。誰の判断として話されているのかを、名札や呼ばれ方から見ておきます。
渡された紙の表題と、根拠になっている法律。契約に関わる紙かどうかは、表題のあたりで見分けられます。
資料の中の写真や体験談が、どの規制の下にあるか。同じ見せ方でも、医療機関とサロンでは扱いが違います。
その場で決めなければ、紙と条文を家で読み直す時間が残ります。控えをもらえるかどうかは、受付や相談室で聞けば分かります。
医学的な判断は、その場にいる医師と自分の体の状態のあいだで決まります。ここで書けるのは、部屋の作りと紙の名前までです。
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